セッション、のつもりが……
シナリオができなかった、という珍しい展開に……
正確には、「今回予告とハンドアウトが一行も出てこなかった」ですが。普段いらないほど吐き出している自分としては珍しく、本当に一行も書けませんでした。シナリオタイトルすら、でっち上げはしたものの「やっぱり気に入らん」となっちゃいましたし。
なにが一番問題だったのか、というと、これは私の悪い癖ですが、「思い入れのあるPCがメインのシナリオは意気込みすぎて空回りする」んです。気合い入れすぎてオーバーヒートするみたいな。「すんげーシナリオにしなきゃ！」と強迫観念のように考えてしまうというか。
で、いざシナリオを考える段になって、ネタと主要部分の展開は事前に考えていたはずなのに、「……で、このシナリオメインNPCは、一体なんでこんなことをするんだ？」という部分にまったく答えを見出せなかった、と。
まあいまでも悩んでいるんですが。
こっからは与太話、雑記メモとして。
対象を殺すことを目的とした殺人というのは通常、衝動的に行われるもので*1、「殺意を抱いた瞬間に、殺害を実行できる状況であった場合、殺人が行われる」ものです。要約ですが。
一時の出来事で喚起された激しい感情を、持続し続けることは、通常、不可能です。「誰かを殺したいと思うこと」は誰にでもあることだと思いますが、実際に殺すことが稀なのは、普通、「殺害を実行できる状況ではない」ことと、「殺意を維持できない」ことが理由になります。
なので、「ギアドライバーを殺そうとするナビゲーター」というものを想定した場合、ナビゲーターは虎視眈々とギアドライバーの命を狙う……という関係になりますが、この場合、ギアドライバーから日常的に「ギアドライバーを殺したいと思うような行為」を行われ続けている必要があります。殺意を持続させるには、常にその感情を更新し続ける必要があるからです。
それでいて、それもあまりにも長く続いてしまうと、人間というのはそういう状況ですら受け入れるようになります。「殺せない期間が長く続いてしまうと、殺意は変質していく」ことになります。激しい感情を抱え続けるというのは、精神的に非常にしんどいからです。そんなお荷物は誰でも投げ出したいからです。それでも状況が変わらないのであれば、自分が変わるしかないからです。
この「衝動的に殺す」のではないけれど「殺すことを目的として計画的に殺す」というメインNPCの心理状態がまったく想定できなかったために、メインNPCのロールが出来そうにないとなってしまったわけです。殺人によって得られるものとはなんなのか？ どんな報酬がそれを可能にするのか？
殺人に対する規制*2の閾値が低い人格だ、というのは想定できます。殺人というのは、どのような社会であれ、禁忌ではあるものの、存在しないものではないからです。場合によっては推奨すらされるものである*3以上、個人によって考え方が違うのは当然で、そこまではいいんです。
ただ、「一般社会に生きてる一般的な考えを持った一般的な人*4」が、そんな道徳心を持ってるというのも、どこかおかしい。そんな人ばっかりなら、社会は社会として機能しなくなってしまう。であれば、なんらかの事情でそういう人格が出来上がったとする必要がある。
と、まあそこまで考えて、「じゃあどんな事情やねん」という部分がまったく解決できず、シナリオイメージがまとまらなかったわけですが。
別に計画的じゃなくてもいいよなーと。衝動的なまんまでもいいよなーと。「主観的には衝動的だけど、客観的には計画的に取られる状況」であれば、シナリオのメインな目的は果たせるわけで、「衝動的に殺人を行ってしまった事実」を受け入れたくないために「あたかも以前から殺意を抱いていたような気になる」というのも、それはそれで説明的で筋が通るかなーと。
まあ、ブレイクスルーなんてそんなもんなんですが。
そんなわけで、ようやくちょっと進展。
