キャラクター造形

以前も書いたことがあるような気もしますが、今回は前回とは違った切り口で。


キャラクターを作成し、その設定を考える場合、一般的なのは「当人の性格と過去の設定を考える」という工程だと思います。
最初にそれをやるのは普通だと思いますが、そこで終わってしまうと、そのキャラはわりと「どこにでもいるようなキャラ」になって終わります。
それはなぜか? PC個人の設定だけだと、テンプレートと呼べるような定型的なディティールを持ったキャラクター描写しかできないからです。
それはなぜか? TRPGというゲーム内の世界について、プレイヤは想像することしかできないので、似たような設定を持つ漫画や小説から引き写してくるのが、一番手っ取り早いからです。
それはなぜか? TRPGをプレイする人の大部分の人が、設定を考えることを目的とし、また、技術的にそれを学んでいるわけではないからです。
ここでまず一つ目の結論です。「PC1人を作ることで個性を出すことは、基本的に不可能」です。


では、個性を出すにはどうすればいいのか?
多少手間は増えますが、簡単な方法があります。そのキャラクターの周辺キャラクターを作成することです。
それらのキャラは、すべてテンプレートキャラで問題ありません。しかし、テンプレートは、組み合わせによって独特のカラーを出すことができるようになります。絵に例えると、手元の絵の具には原色しかなくても、それを混ぜ合わせ、各色の比率を変えることによって、独特な色合いを出すことができます。それと同じことです。
中心に、実際に使用するキャラクターを据えます。そのキャラクターと関係する周辺人物像を設定していくことにより、中心に存在するキャラクターを浮き彫りにする、浮かび上がらせる、という手法です。
この手法は、「キャラクターを作る」という行為が可能であれば、誰にでもできます。沢山作って、配置するだけです。配置した後は、それぞれのキャラクターの関係を、矢印で結び合わせていけばいいだけです。「親子」だとか「恋人」だとかいう形で。
そしてその関係の切っ掛けを書き加えることができれば、テンプレートを利用しながら、オリジナリティ溢れるキャラクターを作成することができます。


この作成方法は一例でしかありません。
しかし、キャラクター個人に集中するのではなく、その周辺にも目を向けるということは、セッションにおいて、自分以外の参加者に目を向けることにも繋がっていきます。
「視野を広く持とう」というのが、実はこのエントリの主旨なのです。