『昔日の郷愁』

今回予告

戦場において、裏切りは何よりも軽蔑される行為である。
互いの命を預け合う兵士にとって、裏切りこそがもっとも唾棄すべき行為だ。


40年戦役。永の戦争に兵力は疲弊し、資源は枯渇し、それでも戦うことができたからという理由で、戦うために戦うことが長く続いた戦争だった。
その戦場の片隅で行われた、ある裏切りの記憶。


「私は祖国を裏切ることになるだろう。だがどうか誤解しないで欲しい。私は私のために裏切るわけじゃない」
そう告げて、友軍を撃ち、合衆国軍へと身を投じた一人の兵士がいた。彼女は歴戦の勇者で、部隊を代表するパイロットで、勝利の女神とすら呼ばれていた。
なぜ裏切ったのか。なんのために裏切ったのか。自分のためではないとはどういうことなのか。


彼女との再会は、天使の羽根の舞う戦場でのことだった。


エンゼルギア 天使大戦TRPG』
「昔日の郷愁」


裏切りの代価は、失われた心しかない。