鎖国状態の戦争

通常、篭城戦は、援軍が来ることを前提に行われます。
翻って、ヤシマが取った鎖国は、ギガプラントが建造されるまで、結局は外部からメーヴェを使用して資源を持ち込むことによって支えられたわけですが、援軍自体は外部には存在しませんでした。
その上で、それでも鎖国が成立し、維持されていた期間が十年以上あったということを考えると、よほど結界が強固であり、よほどメーヴェが優秀だったとしなければ、成立しえないはずです。
しかし、いくらメーヴェが優秀だったとしても、ヤシマの人口を支えるための食料を運搬することはなかっただろうと思われます。そもそも外部にそれだけの食料の余裕があったかも疑わしいところですが。
そうなると、やはり運ぶのは燃料を中心とした資源になるしかない。その中でも重要だったのは天使核……というのは、いまさら書くこともないことですが。


大前提として、鎖国を行うからには、「鎖国をすればいずれ逆転することができる」ことが事前にわかっていなければならない。単なる思い込みでもなんでもいいんですが、現実的にそれが可能でなければ、亡命者がやってくることもないでしょう。
では、ヤシマがやがて合衆国に対して優位に立つことが出来る理由とはなんなのか? 決戦兵器であるシュネルギアか? 一時期戦場を支配した機械化兵技術か?
本当にそれだけのことで未来に賭けることができたのだろうか?
そして話は戻ります。篭城戦の基本は、外部からの援軍を待つこと、です。
ヤシマ・統一帝国連合は、外部からの援軍を呼び込むための時間を稼ごうとしたのではないか?
その援軍とはなんなのか。それはまたいずれ。