コミュニケーション概論

ふと、「人の話を聞け」とセッションで言ったことあるなあ、ということを思い出しました。
それはつまり、「相手が話を聞いていない」=「説明したことを忘却したか無視した話をしている」から生まれる発言なわけですが、しかし、情報の重要度は常に主観的なものになり、GMとPLの立場が一致しないのは自明なんだから、「話を聞いていない」んじゃなくて、「聞いてるけどどうでもいいから忘れた」というケースのほうが実際は多いんじゃないのか? と思ったわけです。
GMは、じゃあなにを楽しみにして「GM」をやってるんだろうか?
PLは、なにを楽しみにして「PL」をやってるんだろうか。


主観をできるだけ差し挟まずに、想像される「平均的GM/PL像」の立場を仮想的に構築して考えると*1GMは「シナリオを提供すること」「セッションを提供すること」「ストーリーを提供すること」を楽しみにしている。PLは「自分のPCを動かすこと」「自分のPCを活躍させること」「自分のPCが認められること」を楽しみにしている。
その立場を敷衍してみると、GMにとっては「ストーリーに関わる情報」が重要度が高くなり、PLにとっては「PCを活躍させられる情報」の重要度が高くなる。
ここに齟齬が生まれるんじゃないだろうか。


本当に話を聞かない人はいると思いますが、それはGMであれPLであれ起こりうる話であって、それ自体はどうでもいいものだと思います。ただし、ある意味では意図的にですが、無意識的に情報の取捨選択が行われた場合、その立場によって、「結果的に聞いていないのと同じ状態になる」ことはあるんだろうな、と。
これは記憶の構造が主観ベースで構築されているから起こる話だろうと推測することはできます。ある単語を聞いたときに連想する単語が、人によって異なるというのが、その端的な証明でしょう。
あるNPCの情報で、GMは「ストーリーに関わる部分」を強調して記憶し*2、PLは「PCに関わる部分」を強調して記憶する。それだけといえばそれだけなことなんでしょうが、結果的にそれが「人の話聞け」と言われる人を生み出す構造を持っているのではないかなーと適当なことを言って終了。

*1:想像してる時点で主観は入ってますが、できるだけなので気にしない

*2:ストーリーを提供する以上、それが当たり前です