『黒い聖母』
今回予告
ある日呼び出されたヴィヴリオの執務室。
そこにいたのは、もう一人のミシェルだった。
自らを合衆国の非公式の全権大使と名乗った少女は、ある要求を突きつけた。
それは、裏切り者の亡命者が勝手に連れ出した実験体、ミシェルの返還である。
無論、ヴィヴリオが無償で応じるはずがない。
そこで少女が提示した条件は、合衆国で進行中の、新型の天使兵のサンプルデータの提供だった。
ミシェルが帰国するかどうかは、ミシェル自身に決めさせると少女は言った。
もちろん、ミシェルが戻らないのであれば、データは提供しない。
ヤシマ・統一帝国としては、喉から手が出るほど欲しいデータ。
政治劇の駒であるはずのミシェルに、その決断が委ねられる。
エンゼルギア天使大戦TRPG
BrokenDays『黒い聖母』〜Demonic Princess〜
悪魔のような選択を突きつけた少女は、悪意の欠片も感じられない笑顔で微笑んだ。