物語の抽象化とマスタリング

マスタリングに必要なのは、物語の要点の抽象化技法です。
なぜならPLに伝えるべきはそれだからです。
「敵を倒すシナリオ」なのに、「敵を説得するシナリオ」だと誤解されては、わかりやすくダメダメだから、という理由になります。
もちろん、そうした部分をアドリブでフォローして、「敵を倒すシナリオだったけど敵を説得するシナリオにしました」というのは全然ありで、それはそれで別の技術なわけですけども、少なくとも「敵を倒すシナリオだということを伝えた上で、PLの判断で敵を説得するシナリオにしたいと思った」という構図にしないと、アドリブじゃなくてただのなんでもありで、シナリオの意味自体がなくなるから、という、身も蓋もない理由が含まれます。


抽象化に関連して、メタ視点からの判断がGMにとっては大事になってきます。NPCのロールをするだけでGMができるのなら、それはよく出来たシナリオかもしれませんが、GMがゴールデンルールを持って公平に裁定する権利を希薄化させるでしょうし、吟遊詩人化も進むでしょう。……もっとも最近、吟遊詩人GMのほうが本末転倒的な意味合いで好まれてるんじゃないか、なんて穿った見方もしてますが。
PC1というのは、メタ視点を持たずに、メタ視点を持ったGMよりも物語を主導する立場に立つことを求められる、のかな、なんて最近思ってますけども、どうにも私にはそんな器用な真似はできそうにありません。