魔王

サークルメンバーに「魔王キャラ作ってな」「あとその対抗キャラも」という指示というか指定を出し、すでに一ヶ月以上経ったような気がするけどなんもネタが出てこないので、魔王というものについてちょろっと書いておく。


昨今のライトノベル事情からして、ドラクエ3とかに見られる魔王スタイルというのは流行からは逸れているように見受けられる。ちょっとひねった設定があったり、そもそも主人公が魔王だったり、そういう話が多いんじゃないだろうか。
で、その上で、王道に則った(ドラクエ的な)魔王をやるか、それともちょっとひねった(ラノベ的な)魔王をやるか、みたいな選択肢があるんじゃないかなと思われる。まあそれ以外でもいんだけどとりあえずそういう候補があるとする。
どちらにせよ、魔王の目的というものが必要になってくる。
魔王「世界は私のものだー!」
勇者「なんで?」
魔王「なんとなく」
ではちょっと盛り上がらない。お話的にというか設定的に。ギャグならそれでいいのかもしれないけれどとりあえずギャグではないので、理由とか考えなきゃいけない。


「なにをもってして魔王と呼ばれているのか?」という問いは、「どういう魔王なのか」と直結しているために、ここんところを詰めることが肝要になるわけですが、ここにもまた選択肢があります。

  • 最初から世間的には魔王と呼ばれるようなキャラだった
  • 普通のまっとうな統治者だったけど魔王と呼ばれるようになった

前者であればドラクエ的になるし、たぶん目的は領土拡張とか労働力確保とか微妙に世知辛い事情が絡みつつ異種族対立みたいな方向に進むんでしょう。極端な話宗教対立でも可。ただし宗教ネタは安易に手を出すと泥沼の禅問答が待ってたりするのでそういうのが好きな人以外にはお勧めできない。
後者であればラノベ的になるし、最初は世界平和を夢見てたりしたのかもしれないけど現実の壁に負けて抑圧政策を取るようになりましたみたいな方向に進むことになるんでしょう。人種間宥和を図っていたのにいつのまにか人種隔離とか人種差別とかが始まったりするわけです。


魔王が悪の帝国を率いていたりする場合、話がちょっと複雑になる。
人間生きているからには生活ってもんがあるわけで、魔王の手下の方々はなんで魔王に従ってるのか、ってことになる。魔王なんだから手下にならなきゃ殺されたりするのかもしれないけれど、そんな国はさっさと自滅するので全然魔王が世界に覇をとなえたりすることができなくなってしまうので却下する。蛸が自分の足食って生き延びられるはずがないという話。世界を我が物にした次の瞬間、自分の足を食うしかなくなるっていうのはなんともお間抜け。
なので、魔王の目的やら立ち位置やらで、その背景にいる人々、例えば魔王陣営の人材についてもぼんやりと決まってくる。実力主義なら我の強いわがままな連中ばっかでやっぱりなんもしなくても自然に瓦解するんじゃねえのみたいなことになったりするかもしれない。


重要なのは、どのような選択をしても、それぞれにメリット・デメリットがあるわけですが、そこを魔王の魔王たるカリスマでどのように解決するか、という部分になります。独裁者はカリスマがないとやってられんのよって話です。独裁者にカリスマがいらないなら、そもそも政治的に独裁者が成立しないわけですから。
そういったことを考えてくと、設定がいったりきたりするわけですが、まあそうやって積み上げてけば作れるんじゃないのかなあと思ってるんですけども、うちのサークルの人はどのあたりで悩んでるんですかねえ。