アドリブ

リクエストがあったので今日のお題はこれで。

セッション中、なんらかの要因によりシナリオ通りには事態が展開しなくなることは、よくあります。要因はPLであったりダイス運であったり、ただのシナリオの不備であったりといろいろですが、むしろシナリオ通りに展開することのほうが少ないでしょう。シナリオ通りの展開と呼ばれるような、そんなセッションを「こなす」プレイを楽しいと思う人は、あまり多くはないのではないでしょうか。
シナリオからはみ出しつつ、しかし破綻させない技術。ここでは、それをアドリブと呼ぶとします。

アドリブは難しい、というようなことをよく聞きます。だからGMをやるのは腰が引けてしまう、ということも。
しかし実際、アドリブは難しいものでしょうか? その難易度自体を否定することはできませんが、実際には、アドリブそれ自体は難しくもなんともありません。
なぜか。アドリブを成功させるポイントは、セッションにはないからです。アドリブというのは常に「結果」について回るものであって、アドリブそれ自体は「目的」にはなりません。
言い換えれば、不可抗力と言ってもいいでしょう。それができようができまいが、GMに責任はありません。アドリブの成否や練度を取り上げるてGMの責任とするのはナンセンスです。

では、その上でアドリブを成功させるためのポイントとはなんでしょう。私はそれを「セッションに参加する全員のコンセンサス」であると考えています。
PLの趣味嗜好を知っていれば、セッションでの傾向、望む方向性は見えてきます。枠の決められた「シナリオ」では、それに完全に応えることができないのは自明です。そして、どれほどカスタムしたシナリオであったとしても、気分次第でこの傾向は変わる以上、アドリブは必ず発生します。
重要なのは「落とし所」です。事前のコンセンサスがあれば、それを推測することは、さほど難しくはありません。

そしてそれらが指摘する結論とは、「普段からのコミュニケーションが大事」という、実に当たり前のことです。「友人と楽しみながらセッションをする」という、ただそれだけの、しかし実際にはそれこそがもっとも難しいと思われる前提を成立「させる」ための相互理解は、普段から培うしかありません。
誰でも、友達が転んだら助け起こそうとするでしょう。それは、GMやPLという立場を超えて発揮される行動です。転びそうになったら支えあう。アドリブというのは、ただそれだけのものです。


追記
コンベンションについては考慮してません。私は行ったことないので、それについて語るなにを持っているわけでもないので。


追記の追記
視点がGMとPLのどっちつかずになってますが、特に気にしないでください。