『神殺しの傷痕』(3)

事件の推移を要約。

19xx年 世界大戦中、ある少女が村人を大量虐殺した「津山30人殺し」が発生する。
      事件発生後、マスコミはこれを大々的に取り上げ、「世紀の殺人鬼」としてセンセーショナルな報道を行う。
      翌年、異例のスピードで死刑判決、及び死刑執行。(弁護側の控訴は棄却された)
      事件の真相は軍部の新兵器(動物兵器)開発によって多数の死傷者が発生、元より陰陽部が考案していた『神機』プロジェクトの依巫(よしまし)のためにこの事件を利用した。
      犯人に仕立てられた少女は冤罪。しかし事件の生き残りの証言は、軍部の情報操作と元から村内では厄介者として扱われていたため、世界大戦の不安定な世情と相まって、過剰に異常性をアピールする結果となった。
      御霊としてどこに奉じられたわけでもないが、事件は広く深く人々の記憶に残ることになる。
1996年 天使核をベースとした『エーテル集積装置』により、「怨霊」と化した少女の亡霊を顕在化することに成功。
1998年 『エーテル集積装置』の改良により、「怨霊」の自律移動が可能になる。
1999年 『神機』として実用化に成功。神化の制御は陰陽部の呪印により行う。しかし行動の制御については決定的な技術が得られず、補佐役の動きをダイレクトに転送し、そのイメージを受けて『神機』に行動させる方式となる。現在改良方法を模索中。