ドラゴンと竜

ドラゴンと竜は別のものである、とします。
竜は自然由来のもので、ドラゴンは悪魔的なものとしておけば、まあ差別化できるでしょう。
竜は妖精に近く、「自然に対する崇拝が生み出した守護神になりきれなかった存在」の一種族である、と。神の零落したものが妖精、とかいう言説がありますが、それとは逆で、神になりきれなかったものが妖精、というカテゴリですね。
この場合、妖精という段階が存在する、と考えるか、自然崇拝が妖精という種として結実したものである、と考えるかが微妙ですが、これは物語とか他の要素の要請に応じる、ってことで問題はないでしょう。


一方のドラゴンが悪魔的なものである、というのがどういうことかというと、人間の欲望の象徴としてのドラゴン、という形になります。悪魔の一変種、というのが一番わかりがいいかも。財宝を溜め込んだり家畜を襲ったり人間を襲ったりするのは、基本的にはこのドラゴンになるわけです。
そして技術と文明の進歩に伴って、竜は減り、ドラゴンが台頭するというのがこの世界の構造です。逆もまた然りで、文明レベルのあまり高くないワールドセットでは、竜のほうがドラゴンよりも多い、ということになります。


極端な例ですけど、始皇帝みたいなのが登場すると、ドラゴンの活動は活発化したりするんじゃないかなと。逆に竜は減っていったり。細かい説明は端折りますが。
英雄はドラゴンを退治するわけですが、人間の目から見た場合、ドラゴンと竜の区別はそう簡単にはつけられません。間違って竜を退治して自然のバランスを崩しちゃったりすることもあるでしょう。
イメージとしては「ドラゴン退治=敵を倒す」という簡単な図式で問題ないんですが、「竜退治=自然破壊」ということになるので、ドラゴンスレイヤーにも罪深いのがいたりいなかったりするわけです。