失敗してもいい場所

私に向けての問いかけではないかもしれませんが、先のエントリにトラックバックした立場として、私の見解を述べておきます。

[TRPG] いつ、どこでなら失敗してもいいですか?: Dragonoid Factory
http://dragonoid.txt-nifty.com/df/2009/06/trpg-2862.html

これを読んでくださっているあなたには「失敗してもいい場所」はありますか?

まじめに、あるいはまともに、あるいは普通に遊んでいる参加者のいる場所でなら、いつでもどこでも失敗してもかまいません。
「失敗は許されない」というのは単なる強迫観念であって、現実にも実際にもそぐわないものです。
そもそもの話として、「セッションの失敗」はGMの責任に一方的に還元されるものではありません。PLにだって大なり小なり責任はあります。責任というものがそんなに大事なら、ですが。「楽しく遊ぶ」場において、そんな責任の追及がどうして重要なのか、私にはわかりませんけども。
失敗したなら、次の成功に繋げればいいだけのことです。毎回必ず失敗する、という話でもないのなら、気に病む必要もありません。
成功のハードルを無闇にあげているんじゃないかな、というようにも読み取れたりはしますが。


これだけで終わるとくさしてるだけになるので、そのほかの部分についても個人的見解を。

私のGMに対するもっとも原始的なモチベーションは「こんなシナリオを作ったんだぜ!」という自己顕示欲だと思います。自分が作ったシナリオで遊んで欲しい、そして「面白かった!」といって欲しい、それがGMとしてのモチベーションだと思います。

最初に感じた違和感は、「そういう人はシナリオフック作るほうが適してるんじゃないかな?」でした。ま、それはそれとして。
「シナリオを作る」という行為が、そもそもどのように定義されているのかがいまいちなんですが、作りたいのが「ストーリー構造」なのか「ストーリー演出(シナリオギミック)」なのか「データバランス」なのかもよくわかりません。
なのでそれぞれに個別に書くとすると、「ストーリー構造」は、シナリオフック程度で十分で、細部までぎっちり書き込む必要はないと思います。「ストーリー演出」は、どちらかといえばシナリオよりはマスタリングの占める割合が大きいです。「データバランス」なら、別にシナリオいらないです。
そうなると、逆算的に「ストーリー構造」が作りたいのかなあ、と思います。シナリオの作成方法とかが絡むのも、大体このあたりなので。
それにはNPCやらなにやらはあんまり絡まないです。さらにいえば、突き詰めると「好みのシナリオ構成」ってのは大体決まってます。
どうも枝葉末節に囚われているように見えるんですよね、この辺。そもそも「面白かった」と言ってもらいたいポイントってなんなんでしょう。アイディア? 独創性?
でも、PLはあんまりそういうもの、求めてないと思いますよ、というのは前回のエントリでも書いた通りです。

マスタリングよりもシナリオ作成に重点を置いていますので、マスタリングはしなくてもよいのですが、自分で使ってみないことにはよいシナリオかどうかはわからない。なので、シナリオを作る⇒GMをする、と捉えています。

ここでも若干の迷走感があったりなかったりなんですが。
そもそもどんなGMがマスタリングすることを想定してシナリオを作っているんでしょう? 自分? 見ず知らずの他人? 初心者? 経験者?
誰が使うのかによって記述方法は変わると思います。というのは、読む人の属性によって、なにが読みやすいのか、使いやすいのかが変わるからです。
公式シナリオ、って言ってもエンゼルギアのぐらいしか読み込んでないんですが、ああいうのははっきりいって「ある程度は初心者にも"読める"ように、でも基本的にはそれなりの経験者に"わかる"ように」という作りだと思ってます。使用者の大部分に適合するように作っているだろうけれど、万人が使いこなせるようには作ってない(そもそも作れない)だろうと。
「よいシナリオ」って、そもそもなんですか?

たとえば私が「よし、基本的なシナリオから徐々にこなして、ステップアップしていこう」と考えたとします。ベタなところで、旧SWでゴブリン退治から入ろうと考えたとします。さて、そのセッションはどこでやればいいでしょうか? 「旧SWでゴブリン退治のシナリオをやります」といって卓が成立するところがあるでしょうか? しかもそれはGMの練習が目的です。

GMの練習が目的です」なんてことを公言する必要がそもそもありません。「今日はオーソドックスなシナリオをやりたいと思います」で十分です。それが不誠実だというのなら、「GMの練習が目的です」なんて言うほうが不誠実だと私は思います。
それに、誰でもいつでも凝ったシナリオを遊びたいというのは幻想です。私も以前囚われたことがありますが、PLはそんなものよりはむしろオーソドックスでわかりやすいシナリオを遊びたがってるものです。あるいは、ずっと凝ったシナリオなんてものを遊び続けてれば、オーソドックスなシナリオだって遊びたくなるものです。
プレイグループにもよりますけども。あと、ストーリー構造についての話ですけども。

GM訓練」ができる環境というのはどのようなものでしょうか?

なので、この問いに対する回答は、冒頭の通り、「いつでもどこでも」です。どんなベテランだって、訓練の要素がない、なんてことはありません。
ないと思いますよ。一部の(いるかどうかもわからない)完璧超人みたいな人を除けば。