ネタ:問題の原因と結果

児童被害が拡大するケータイSNS日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20090826/203401/?P=1

 では、SNSに共通する問題とは一体何か? それは、SNSが犯罪の温床となりつつある、ということである。

直接的には上記に関係しない話の前振りですが、SNSが犯罪の温床になっている、というのは、犯罪の結果であって原因ではない、ということは、押さえておくべきポイントだと思います。犯罪に会う被害者(被害児童)がなぜそれを使うのか、という点において、SNSを使えなくしたところで、別の(まだ使える)ものに移行するだけなわけですから。
だからって対策しなくていいってことじゃないですけどね。そうした前提が、対策の仕方にも表れてくるだろうし、表れてくるべきだと思います。


でまあ、TRPGタグつけてるので、TRPGとしての話。
TRPGをやる人というのは、TRPGが楽しいからTRPGをするわけです。当たり前ですが。
TRPGをやらない人というのは、TRPGを知らないのかもしれませんが、やれないのかもしれないし、楽しくないのかもしれないし、いろいろな理由が考えられます。
一般への普及、というのは、「TRPGを知ってもらう」という広報活動も大事ですが、「TRPGは面白いものである」ことを感じてもらう必要も、当然あります。知ってもらう、理解してもらう、という表現は、なんか「TRPGが面白いのは自明」みたいなことを言っているかのようになるので、ここでは使いません。自明な面白さなんてものはありませんから。
現状のTRPGに、上記であげたような問題があるとした場合、それぞれの原因についての対策は、当然ながら違ったものになります。


TRPGを知らない」場合は、まず知ってもらう必要があります。
TRPGをやれない」場合は、遊べる環境をフォローする必要があります。
TRPGが楽しくない」場合は、楽しいTRPGを用意する必要があります。
FEARがやってるのは、「TRPGを知らない」場合への対処が中心だ、というのが私の認識です。ナイトウィザードのアニメ展開とか、リプレイの出版とかは、そうした広報活動に含まれるだろう、という意味で。
SNEはシルバーレインでオンラインセッション用のなんか作っただかつけただかしたらしいので、「TRPGをやれない」場合への対処をし始めている、と考えています。個人的には、コンベンションもオンラインセッションサークルも並列的な機能を持っているとは思いますが、ご時世がご時世なので、「直接会う必要がない」というのは、移動コストという面でも、安全対策という面でも、十二分に意味があるんじゃないかと思ってます。


でも、実際に重要なのって、「TRPGが楽しくない」場合はどうすりゃいいの? ってことで、これって、どうしようもない、ってことにしかならないような気がするんですよね。
テレビがつまんなきゃテレビは見ない。たとえテレビが面白くなったとしても、テレビを見てないわけだから、面白くなったこともわからない。
TRPGだって、楽しくなかったら遊ばない。これは当たり前のことで、そしてそうした離脱可能性を常に担保する必要は、やっぱりあるんだろう、と思うわけです。
囲い込みが悪いかといえば、それはそれで商業上の意味はあると思いますが、しかし囲い込んだところで、ユーザに不満が残れば、むしろ将来に禍根を残すだけではないか、とも思います。


楽しいことは、強制できない、という、まあ当たり前の話なんですが。知らない人に知ってもらうことと、楽しくない人に楽しんでもらう対策って、なんか混同されて(して)ないかなあ、と自分を振り返って思ったので。
ま、私個人は、あまり積極的に勧誘行動は取りませんが。