『神殺しの傷痕』(5)

・【研究者】柚島坂槻


 天使兵研究のため、合衆国に潜伏経験あり。実際のところ、研究者というよりは諜報員、諜報員というよりは格闘家、格闘家というよりは夢想家、そんな側面のほうが強い、強烈な理想主義者。諜報員あがりの研究者、という表現が一番正確かもしれない。
 合衆国による支配の現実、なんてものはわりとどうでもいいと考えているが、世界が複数の国に分裂しているからこそ起こる戦争という現実を改善しようと、そのためにヤシマが世界を統一すればいいとわりと心の底から考えている。
 ある意味バカ。
 そのための手段として『神機』を用いることを考えている。
 実は50代。鬼の血のせいか、別の原因のせいか、見た目は20代後半。白兵技能よりは格闘技能が高く、格闘家としてはそれなりの技量の持ち主。


 彼が戦争を忌避し、バカげた方法論で平和を得ようとしているのは、合衆国潜伏時代に散見した『魔女狩り』がトラウマになっているからである。*1
 潜伏中、カモフラージュに付き合っていた女性を『魔女狩り』で亡くしたとの噂もある。
 平和を望むというよりは、戦争を、その狂気を忌避しようとしているが、自らがその狂気に囚われていることについては、意識的に考慮の外に置いている。あるいは単純に、自らを必要悪と定めているのかもしれない。
 究極的な思想として、『旧世代を排除し、新世代のみの新しい世界』を作り出そうとしている。自らを旧世代にカテゴライズしているため、新世界において自らは不要と考える。
 思想的な面から、ヴリルとの関連も疑われているが、詳細は不明。

*1:魔女狩り』の詳細は特に考えてないけど