2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

(32−1)

そうしなければならないことだけがわかっていた。 人はそれを焦燥と呼ぶのだろう。 「そうしてしまえば、我々は脱走兵になる。それでも、君はついてきてくれるだろうか」 言葉に迷いはなく、ただ憂慮だけがあった。 「それがあなたの望みであるなら」 彼女も…

(31−3)

学校について早速中隊長に電話を入れてみたら、あいにくと午後一しか余裕がないということだったので、午前中で授業を切り上げて基地に戻ることにした。一緒に昼食を取れないことに対して、真智は不満そうだったが、深くは追求してこなかった。 それを信頼だ…

(31−2)

誰と交渉をすればいいだろう、と考える。 ギアドライバーとナビゲーターの同居。そんなものに許可が出るとは思えない。思春期の若者だからとか、そういう理由ではない。お互い、いつ死ぬかわからない身なのだから、同居を許可して精神依存度をあげさせる理由…

『幸せの行方』

実験施設から、貴重な実験体『ツヴァイ』が脱走した。 あらゆる電子機器に干渉することが可能な実験体は、完全機械化兵を従えていた。 その実験にはG3が関与していたという。 実験体の向かう先に近い関係もあって、瑞穂基地のヴィヴリオの手で捕獲班が編成…