「無難」の選択基準

いかなる時、人は「無難」を選択基準とするのか、わかりやすい話がありましたので参考に上げてみます。

理系クンが書くマニュアルが読みづらい理由:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20091216/211647/

実際には、P4になります。リンクして該当部分を抜粋します。

理系クンが書くマニュアルが読みづらい理由:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20091216/211647/?P=4

渡辺 そうか。興味関心が薄い分野は、男女関係なく「無難」に落ち着くんですね。

これを読んで思ったのが、私個人は、(ルール周辺にそれほど興味がないので)「TRPGにおける共通の操作系があればいいのに」と思っているんだなあ、ということです。つまり、ルールにおいての「無難」を欲している、と。
物語やロールプレイという部分に興味が集中しているが故に、それ以外の部分がおろそかになっている、あるいはそれに関連する形でしか興味を持てない。それが私のスタンスであると。
まあ、もったいないなあ、と思うわけですが、それは他の人も別の形である話だよなあ、とも思ったわけです。パターンとしては、私の逆で、ルール(というかシステムというか)に興味があるけど、物語とかロールプレイには興味がない、とか。


いい悪いという話ではなく。そうした興味の違いが歴然とあるとして、それを埋めるのがコミュニケーションではないか、という仮定は成立しうるかどうか。
興味の違い=ギャップをどうするか、「1.無視する」「2.お互いに尊重するが自分はやらない」「3.積極的にお互いの興味のある分野を体験してみる」ぐらいがぱっと思いつくところですが、私の基本的なスタンスは2です。
ダメなパターンとして「4.自分の興味の分野は周囲に勧めるが周囲の興味のある分野は自分では興味を持たない」もありそうだし、ともすればこれやってんじゃないかな、という冷や汗混じりの自覚もあったりする。
とりあえず、これらのスタンスは、スタンスの異なる人とはあんまりうまくいかない気がする。情熱、パッション、テンション、ノリ、そういうものの差というのは、大体が特定の個人を浮き上がらせつつ、周囲を沈みこませるものだから。逆もあるけど。
かといって、コミュニケーションによって、ではなにが埋められるか。自分が浮き上がりかけたら自制し、自分が沈み込みかけたら頑張って浮上して……みんな同じよーなテンションを維持することがコミュニケーションなのか。
なんだか、盛り上がっているようないないような。それこそ「無難」そのものなんじゃないか、とか。だとすると、コミュニケーションというのは、実際には興味の差を埋めるようには機能しないんじゃないのか。


仮定が多すぎてお話にならない、というのはありますが、興味の差という大体の場面において発生するものを埋めることができるのかどうか、そもそも埋める必要があるのかどうか。これはなかなかに微妙な問題な気がします。
おおむね、プレイグループごとに方針が異なる類の話だとは思います。基本的には、システム単位で興味を集約して平均化して遊ぶことになると思います。しかしシステム単位とはいっても、システムの理解の仕方もまた千差万別である以上、同じシステムで遊ぶことに合意したからといって、興味の向きが同じとは限らない。
そうした、無条件の前提を暗黙に仮定するか、しないか。コンベンションという場における運用ルールがこうした問題を一番手堅く解決してるんじゃないかなあ、という妄想だけを抱いて今回はこれで終わります。
どなたか、コンベンション経験者で、やっぱコンベンションだとそのあたり大事よとかいうご意見があればお聞かせ願えればと思います。できるだけ具体事例込みで。

問題解決はできなくても一緒に悩むことはできます

それが私のスタンスです。

[TRPG] 依頼型導入とその後の進め方について: Dragonoid Factory
http://dragonoid.txt-nifty.com/df/2009/11/trpg-0ee1.html

きっと「こういうときにはこういう風にPCたちを誘導して・・・」とか「情報の出し方を工夫すれば・・・」とかあるんだろうなぁと思うし、たくさんシナリオを作って実際にセッションをやって時には失敗したりしてノウハウを蓄積していくんだろうなぁとは思うのですが。というより、そこがシナリオ作りとかセッションハンドリングの見せ所なのかなぁ。

いきなりノウハウの話。
誘導とかは私はあんまり考えてなくて、というのは、「状況のセッティングさえできれば、PCの行動は自ずと決まる」と考えているからなわけです。それが誘導だろと言われればそうかもしれませんが、誘導を意識すると、誘導が失敗した時のリカバリが大変なので、とりあえず状況は作るけど好きにしていいよ、というスタンスでいます。
では状況のセッティングはどうするのか。どうやってセッティングするのか。これもまた簡単な話で、「相手がなにが納得できていないのかを確認する」だけです。これは、直接的に(その場で)回答まで出す、ということではないです。なにしろ、伏線に食いついてくれてるだけかもしれないので。
そうなると回答のパターンは決まってて、「問題なければ(メタでもいいから)回答を出しちゃう」「問題があるので回答は後で出ますとだけ答える(回答の存在だけを伝える)」「考えてなかったので気にしないでほしいとぶっちゃける」ぐらいです。
これは、GMの状況だけで判断できるので、GMとしてはやりやすいです。もちろん割り切りがある程度必要だし、回答と違うことをやったら信用なくして終わりですが。


「相手が納得できていない点を聞き出す」=「疑問を聞き出す」なわけですが、これはテクニックというか慣れというか観察しかないと思ってます。
指標として、「発言が少ない」「発言が短い」というのは、疑問を持っている時になりやすい状態ですが、単純に寡黙なだけかもしれないので、その点は念頭に置いて問いかけする必要があります。問いかけに対して「別に」とか返すような人は、寡黙だろうとなんだろうと空気読めないっていうか相手の意図を考えない人なので放置してもいいと思いますが。そもそも無礼です。
オフラインで対面している場合は「早口になる」「声のトーンが上がる」とかも指標になりますが、この辺はオンラインだと確認しようがないのが弱いところです。オンラインの場合は「発言までに時間がかかっているけど実際の発言が短い」とかは悩んでるということの指標なので、突っ込み時ですね。
拙作のチャットソフトでは、発言中表示機能があるので、悩んでるのか、画面見逃してて反応してないのかの違いもわかるので、こういう機能は便利じゃないかなと思ってます。
まあこれはTRPGに限った話でもなく。日常的な話だと思います。


で、(たぶん)本題。

”こういう導入でPCたちに原因を探ってもらう”というシナリオも考えられるわけで、「ではどうしたもんかなぁ」と。

これは、セッションの運用レベルの話、だと思います。
つまり、「今日は戦闘だけやるよ!」とか言いつつ、原因探索ばっかりやらされたらそんなのはイヤンですよね。言葉遣いの問題でもありますが。「今日は戦闘もやるよ!」という言い方でも、戦闘メインなんだろうなー、という期待をするだろうことは言うまでもないことなので。まあ文脈依存なのでこれ自体はそれほど重要な話でもなく。


シナリオの記述時点において、なにが焦点になるかというのははっきりしていると思います。しかし、すでにずいぶんと昔の話のような気もしますが、デモンパラサイトのシナリオ「力の代償」でも、原因の探索と(解決手段としての)戦闘がありますが、GMの好みに応じて、どちらに比重を置くかは使い分けられます。
探索重視でやるなら、「探索重視でやるよ!」と言って、探索パートの描写に重きを置きつつ、できるだけPLの自主性に任せて探索をさせればいい。GMからの誘導なんてのは必要最低限にして、状況証拠だけ出しておけばいい。PLが詰まったら(PLが助けを求めたら)助け舟を出す。シーン中に出すかメタで出すかは好みと状況に応じて。探索重視なのにギブアップもなしにGMが助けてくれると思ってんなら、それはPLが甘えてんです。放置してもよろしい。もちろん、事前に「探索重視だから、こういう風にやるよ!」と宣言して上記の方針を説明するのがマナーかもしれません。
戦闘重視でやるなら、「戦闘重視でやるよ!」と言って、探索パートはさらっと流して、次に行く場所とかも全部メタで指示しちゃうぐらいにして、とにかく戦闘に至る過程だけを淡々と描写すればいい。味気ないぐらいにして、というか全部説明しちゃって、実際始まるのは戦闘シーンからぐらいにはしょってもかまわない。


それがシナリオを運用する、マスタリングする、セッションをする、ということだと思います。つまり、「シナリオ作者の意図」と「シナリオ運用者の意図」は別でも当たり前だと。シナリオ作者は、どういう意図でシナリオを作ったかを記述して説明できたとしても、その通りに運用するかどうかは、シナリオ運用者の手に委ねられている。改変してもしなくても、それは運用者の選択でしかないから。
シナリオの改変もせずにシナリオ通りにやったのに失敗しましたなんてのは、基本的には戯言です。でも三回までは許します。三回も失敗して学習しない人にはつける薬がありませんが、三回ぐらい失敗しないとセッションの運用というのがいかに水物なのかはわからないと思うので。
わかってて失敗しちゃう分には、別にいいと思います。わかってるならシナリオの事前読み込みと問題の予測、それに応じた改変は思いつくでしょうし、それは事後にでも気づけることですので、反省材料を自分で見つけられるでしょうから。どうにも修正がうまくいかないのは単純に経験の問題です。そのうちできるようになるかもしれないし、誰かに師事してみるのもいいかもしれません。
「このシナリオはクソだったから別のシナリオで」と言ってる人は、残念ながらうまくはなれないと思います。シナリオがクソだったのか自分の運用がクソだったのか、少なくとも自分の運用がクソだったという前提で振り返りをしない限り、自分の技術は改善できませんので。
悪かったのは全部他人のせい、なんて言ってる人はうまくはならないと。まあそんだけのことです。わかってても実践するのは難しいんですけども。

自分にとって大事なことと相手にとって大事なこと

副題は「自分にできることと相手にできること」です。


ご指名(?)いただきましたので恒例の応答をさせていただきたいと思います。
ご指名にはできるだけ応答したいとは考えているんですが、時折応答を差し込める余地のないこともあったりして、そういう時はあえて応答しないようにしていますので、閲覧されている方におかれましてはそのあたりを意識して読んでいただければと思うことがあります。
「応答希望」とかあれば(それに気づけば)出来る範囲で応答させていただきます。それ以外の場合はいい加減判断による恣意的運用になりますということで。

TRPGと逸脱と再設計 - TRPGのススメ?
http://d.hatena.ne.jp/koutyalemon/20091107/p1

1コマ目の「ゲーム終了ね」まではギリギリGMの公式設計の想定の範囲内でのセッションだったのですが、「いやゲームは続行するわ」からの一連の台詞が"逸脱"。4コマ目の「そんなシナリオ即興で作れと!?」のシナリオを即興で作る部分が"再設計"にあたるかと思います。

すみません、この部分でいう逸脱と再設計が、システムの話なのかシナリオの話なのか判然としなかったというか、文脈的にはシナリオの話だと思ったんですが、内容的にはシステムの話にも読みとれたので、この辺ちょっと区別して応答させていただきます。


上記の例にならってみると、「"シナリオとして"GMが用意していた範囲外の展開をPLが要求した」というのが逸脱であり、「それにGMが応えようとした場合に再設計が発生する」という意味で、ここではおそらくこの文脈で書かれている、と読みとりました。
ここで再設計が可能かどうかはGMの能力に依存します。参加者全体のリソースとして認識した場合、PLがGMを引き継ぐ(PLがやりたいことをPLが実現する)というような解決手段もあるので、必ずしもGMだけが再設計の責任を負うわけではありませんが、それはリソースの配分を変更するだけで、リソースが必要であることを回避するわけではないので、リソース問題として見た場合、「ない袖は振れない」という前提を持つことになります。
また、それが逸脱であるかどうかは、シナリオを用意したGMにしかこの場では判断できません。PLの要求に応答する形でGMがシナリオを開示することによって、PLは初めて自分の行為が逸脱であると認識できます。この情報が不均衡な状態において、PLの行動は「逸脱を意識しているとは言えない」という前提を持ちます。
先の前提、「ない袖は振れない」と「逸脱を意識しているとは言えない」という前提を複合すると、PLは「袖があるかどうかはわからない」状況下で「袖を振れ」と要求することしかできない。少なくとも要求段階においては。これはTRPGの構造的な問題であって、PLの、ましてやGMの問題ではありません。つまり、運用者の問題ではない。(逸脱を認識して要求を取り下げる、あるいはリソースをぶち込んで再設計しちゃうという形で)運用者が解決できたとしても。
そうなると、逸脱の発生やその解決としての再設計というのは、システムの問題にシフトするのではないか、と考えたわけです。そこでシナリオとシステムの判別がつかなくなったと。
まあ、ここでいうシステムはどちらかといえば「TRPGの構造」としての部分になるので、固有のタイトルのシステムとは無関係なので、逸脱の発生そのものを抑制するかどうか、という点については、ここでは考慮しないとします。現状のTRPGの構造は、逸脱の発生を回避するようにはなっていないし、そういう運用にもなっていないと思うので、そうなるとちょっと大変なテーマになっちゃうので。なのでちょっと横に逸れます。


システムの問題(ここでいうシステムはなんらかの固有のシステムを意識しているわけではありません)として見た場合、「逸脱の定義」と「再設計コスト(低ければ低いほどいい)」を考慮する必要があります。
シナリオの運用レベルでの逸脱は、システムが考慮する必要はない、というのは、別のエントリでも書いた通りです。ただし、どこまでが運用の問題でどこからがシステムの問題なのかは線引きが難しいというのも、そのエントリで書いた通りです。

「いますぐこの痛みをなんとかしてくれ」という訴えにはシステムは対応できない - TRPG履歴
http://d.hatena.ne.jp/standby/20091103/p1

先の例で見た場合、「国盗り」がシステム的に実装されていない場合、これを実装する、という形で逸脱を承認し、再設計をする必要が出てくる。外部の国盗りシステムを持ってきてもいいし、一からシステムを構築してもかまいませんが、とにかく現状では存在しないものを導入する必要はある。「国盗り」が実装されている場合はシナリオ=運用の問題なので、システムは関わらないので、このパターンは除外します。
ここでも当然、再設計のためのリソース問題が発生しますが、通常、ほとんどの運用場面において、このコストは負担できないものでしょう。
そう考えると、再設計コストというものは、どこが担保すべきなのか、という話になってくる。システム自体が拡張性を持って再設計コストを引き下げることができたとしても、実際に実装するコストは誰かが負担しなければいけない。例えば公式にルールを追加するという形であれ、ローカルにルールを追加するという形であれ、誰かがルールを考え、整備して(バグがあったとしても)実装しなきゃいけない。
先にも述べましたが、「シナリオ上の逸脱」における「再設計コスト」は運用レベルで負担できるけれど、「システム上の逸脱」における「再設計コスト」は運用レベルで負担するには(必要なリソースの性質的な違いも相まって)現実的ではない、ということになる。という認識が私にはあります。


というようなことをつらつら考えていたので、「うーんこの話はどこまでを射程内におさめているんだろう」という確認も兼ねての応答が必要かなあと思ったのでした。
なのでこの点についての応答は、確認兼保留状態とさせていただきたいと思います。
もちろん絶対に回答をいただかなきゃいけないとかいうわけでもないので、お時間のある時に気が向いたら回答をいただければなと。

この逸脱/再設計はTRPGの上達の段階として未経験者→初心者→中級者→上級者って仮に段階をわけるとすると、初心者→中級者くらいの課題かなーと思うのです。ちょっと未経験者用のチュートリアルに入れるのは酷でしょう。TRPG的には重要な要素なんですけどね。

運用における再設計は、ご指摘の通り中級者あたりの課題になるかなと思います。チュートリアルでは、可能性を示せれば十分ってところかなと。もちろん、再設計を推奨するシステムなら、ですが。
システムにおける再設計は上級者の課題かなと思いますが、これはシステムとしての整合性を考慮した場合の話であって、そんなもん無視するなら(システムをちゃんぽんしちゃってもかまわないという話なら)中級者未満でもできちゃうんじゃないかなと思います。
小学生の頃、違うゲームのルールを勝手に繋ぎ合せて遊んでたなあ、なんてことを思い出すと、システムの整合性なんて考えない遊び方のほうが満足度高いんじゃないかなあ、なんて思わないでもないですが。まあいまさらそうなるには若干以上のハードルを感じますけども。


話は横に逸れちゃいますが、「逸脱/再設計が初級者ではなく中級者の課題」であるなら、「TRPGは自由な遊びです!」なんて言う初心者への勧誘文句は害にしかならないんじゃないかなあ、なんていういつもの「自由なTRPG弊害論」をぶちあげたくなっちゃいました。
まあ最近のTRPGでも相変わらずそんなこと言ってるのかまではそういえば調べてないな、なんてことも思ったりしましたが。そもそも昔のでもそんなこと謳ってたかなあ、と考えると、どっかのアンオフィシャルな宣伝文句をオフィシャルと思いこんでるだけかもしれないと思ったので、今後はこの点については確認するまでは自粛したいと思います。


閑話休題


環境管理、という焦点に絞って考えると、私は環境の選択ができることが大事だと考えます。豊かな環境というのは、選択肢が豊富な環境のことであって、それは当然ながら環境自体の選択も含んでいて、例えば同じ商品が山のように積み上がっているような環境のことではないと。もやしもん8巻あたりで樹教授が語っていたことですが。
SNEやFEARのどっちがいい、というのは個人の好みのことですが、環境としては、両方あって、どちらかをあるいは両方を選択できる環境が理想であると。もちろん他のメーカーもあるので、そういうのを選択するのでもいいわけですが、とにかく寡占企業になられるのはちょっと困る。そうなったら同人レベルも視野に入れて環境選択をしていく必要が出てくるけど、そこまで言っちゃうとコストがかかりすぎて手仕舞いになるだろう、ってのが私の実感です。


環境管理それ自体を問題視する議論もわかるんですが、しかし環境管理のメリットを重視した場合、環境の対比ができること、そして選択ができること、または選択しないでいられること、場合によっては自分がそれを作れること、これらが大事なのであって、環境管理という手法それ自体を悪化してしまうのは、なんか筋が違うんじゃないかなと感じます。
最終的には好みの話で、いろんな好みを自由に主張して発揮できることが重要なのであって、そのレベルから管理しようって話なら私も反対ですが、特定の目的に特化した環境管理の存在それ自体については、メリット・デメリットを上げて比較することはともかく、外部がどうこうできるもんではないなじゃないでしょうか。
「SNE vs FEAR」みたいな構図が発生した時に(これ自体不毛ですが)、反対するがために反対することによって対立する主張を否定するというのは豊かな環境ではない、と思います。変な話、自分の環境はこーゆーところがいいんだぜー、とそれぞれ主張するしかないんじゃないか。それぞれの環境の魅力を判断するのは、主張している人ではなく、選択する人なんだから。


なので

環境管理移行やむなしって結論をとらないと、blog全体の論として整合性がなくなっちゃうんです。ただやはり生理的にやなもんはやなんで、私が導入するとしたらシナリオまでかなーと。でもまぁ発想としては理解できるんで、反対ではないって態度でid:ggincさんにはお答えはしました。

「シナリオレベルでの環境管理を導入する環境」という選択ができるというのが重要なんじゃないか、なのでそれでいいんじゃないか、というのが私の感想なのです。

長文&反応おくれて失礼いたしました。
こみいった話で時間があるときにしか書けなかったのでご勘弁ください。

長文は私もいつものことなので、かまいませんというか誤解を避けようとするとそうなっちゃいますよねーってことだと思ってますので、むしろどんどん長文でお願いしますって気分です。短すぎるとどうも。適切な長さに切らなきゃなあとはいつも思ってますが難しいです。
先にも書きましたが、応答していただければ満足なので、早い遅いはお気になさらずに。ただまあ、あまりタイミングを外すと、エントリ書いた時点の私の考えとは違う考え方になっちゃってる可能性もありますので、その際はむしろこちらがご勘弁くださいと言うことになっちゃうかもですが。

堕天の使徒

ようやくPC=ユリウス・F・ヴォルフのデータが出来たらしい、だけどデータは見てない、そんな相変わらずのぐだぐだスタートな第2話です。まあ、今日どうよ? 時間あるぜ! よしやるか、の三連鎖で始まるので、準備時間がほとんどない以上こんな感じにならざるをえないんですが。
ちなみに今回も今回予告・ハンドアウトなし。
GMは私。PLはid:stelsの人。


話の概要としては、「なんだこの感じ悪い野郎は、ギアドラ仲間? ヒロインをナビにしたい? そんなもん譲ってられるかバカヤロー、あれ、でもヒロインに俺振られた?」です。わかるようなわからないような。
「恋愛ものならやっぱりライバルが必要じゃない?」との助言を受けて、それっぽいライバル=ジョージ・スターゲイトを登場させてみましたの回。ヒロイン=マーガレット・ポインターが亡命者なんでライバルも亡命者、しかも元は同じ指揮官の元で働いてました(でも面識はない)という、若干ライバルリードな状況でスタート。


ところがライバル以前にPCの失言でヒロインとの間に溝が出来たりして、あわわわこれはどうやって関係修復すりゃええんじゃろかー、というところで右往左往してたら、気が付いたらライバルそっちのけでいちゃいちゃしてたみたいなぐだぐだ展開に。
前回のセッション後、やっぱり恋愛ロールするなら三角関係基本じゃね? ということになったので、ギアドラがPCなわけですが、ナビとヒロインで三角関係みたいな感じでどないよ、ということになり、まあそのようにしていたらこうなった、みたいな。行き当たりばったりすぎてぐだぐだ。
出番が置いてきぼりになったライバルには、天使の先祖返りで天界への帰還を目的としているという設定が生えて有耶無耶になりました。今後もライバルとして機能するのか、それともトリックスターの立ち位置で安定してしまうのか、それは誰にもわかりません。


恋愛ロールに限った話じゃないんですが、過去の修復に全力を尽くそうとすると、話が停滞してしまうので、非常に困ります。過去の修復も必要ですが、それを未来に繋げていくロールが欲しいなあ、なんてのはGMの我儘なんでしょうか。
「ごめんなさいひどいことしました」って言われても、「それで?」としか思えないんですけども……

幻惑の使徒

ちょっと前からひっそりと始まったキャンペーン1話。まあPLが一人なので気軽にやろうかキャンペーンです。
戦闘なし、演出のみ、恋愛ロール上等、そんなレギュレーションで、PCデータすら未完という状態で見切り発車です。やる気があるのかないのか。ハンドアウトどころか今回予告すらなし、ストーリーの大筋は事前に開示済み、そんな行き当たりばったりっぷりです。
GMは私。PLはid:stelsの人。


話の概要としては、「やっべー試作機ごと合衆国に捕まっちゃったー、あれ、君もここから逃げたいの? 協力してくれ? 喜んで!」です。
今回は恋愛ロール中心ということだったので、「やっぱ敵兵とのラブロマンスとかベタじゃね?」という頭の悪い思いつきをそのまま薄く引き延ばした感じであれこれと構築していったらこんな感じになってました、みたいな。


オープニングで捕虜にされるというホットスタート気味な展開のわりに、PC=ユリウス・F・ヴォルフが天然どじっこなのであんまり緊迫感はありませんでしたが、なにはともあれ敵地で仲良くしてくれた女の子=マーガレット・ポインターと手と手を取り合って大脱走という初期目的は完遂できたのでした。
ただまあ、この時点では利用し利用される関係でしかなく、恋愛ロールにはあんまり近くないところからのスタートとなりましたが。
こういうのは徐々に盛り上げていかんと、というところで。
ちなみにユリウスのナビは天使核結晶型ナビ(擬似シリコン生命)で、元は幼馴染で黒い天使核所持者だったんだけど幼い頃に死亡してしまい、そんな形で復活しました、な設定がセッション後に生えてました。通称はメフィストフェレス、本名は未定。


PLが一人なので、オンセでも3時間以内に収まるのが気楽でいい感じです。
あと、判定すら存在しなかったので、ほとんどキャラチャのノリでした。キャラ(PC)の言い分があんまり通らないキャラチャですが。

「いますぐこの痛みをなんとかしてくれ」という訴えにはシステムは対応できない

つまり、役割として、の話ですが。
エントリタイトルのような訴えに対応できるのは、システムではなく運用者で、システムという枠組み自体はなにもしてくれないし、なにもできない。改めて言うほどのことでもないんですけども。
なんらかの問題があったとして、それがどういった問題なのかは判断する必要がありますが、解決する方法にも二つの筋がある、ということです。問題が起こっている現場で、対症療法的に解決するか、起こった問題を検討し、あるいは起こりえる問題を検討し、再発を防止し、また発生を予防するか。
システムは、再発の防止や発生の予防はできるが、実際の問題には対処する術を持たないものです。実際に問題に対処する人間を度外視して問題を解決することはできないからです。システムは、事前・事後には対応できるが、最中には対応できない、と言い換えることもできます。


シナリオを作りたい、でも作れない、という問題において、システムは、こうしたら作れます、こうしたら作りやすいです、という仕組みを用意することはできるが、実際にシナリオを作ってはくれない、ということでもあります。システムは行為者ではなく、行為者にはなりえない以上、システムの能力や性能は有限となる。
たまによく、「シナリオの作り方」みたいなキーワードがアクセスログに残っていますが、「どう作っていいかわからない」人向けに対応するのはシステムでもできますが、「シナリオを作って欲しい」人向けに対応するのはシステムでは不可能、という話ですね。


もちろん、運用とシステムが明確に分離できる問題ばかりではないので、線引きは非常に難しく、また恣意的になりますが、しかし問題を検討する段階ではその区別を明確に意識しておかないと、対処を誤ることになる。
システムに問題があって運用上で誘発された問題があったとしても、それは事後にシステムレベルでパッチをあてて対処するしかないことであって、「だからシステムが悪いんだ」と言って解決できることはでない(心理的にはそれでもいいかもしれません)。システムは、再発を防止しても、発生を予言するわけでもなければ、再発しないようにできるわけでもない。ただ再発しづらくすることだけができる。
まあ、明確に問題があるシステムになっていて、それを如何ともしがたいのであれば、発生の予言はできるかもしれませんが。


困ったちゃんのまとめサイトを見ていると、運用の問題をシステムに押しつけて事足れりとしようとする事例が時折あるのになんかもにゃもにゃしてたので整理してみたのでした。
パッチを適用する際のフォーマットとかあれば、システムの問題も解決できるし、問題についても共通認識化できるのかなあ、なんてことをぼんやりと考えつつ。まあそれを公知するには公式がもっとオープンにならなきゃいけないわけですが。オープンにするために必要なリソースを確保できないんでしょうね。たぶん。
問題があることを認識しつつ、問題を公開することによって「悪用されるから」という理由で抱え込むというのは、実際にはかなり悪質なシステム運用じゃないのかなあ、とかなんとか。まあ情報格差を確実に埋められるわけではない以上、いたしかたないとする向きがあることは理解しますが。

テクニックの共通性

具体的になにがどーって話ではありません。

第36回 手品とインタフェース | WIRED VISION
http://wiredvision.jp/blog/masui/200910/200910141340.html

GMであれPLであれ、こうしたテクニックを把握していれば、もう少し違ったプレイシーンが展開するんじゃないかなあ、ということを思ったので。
ただ、なんでしょう。技術というのは、コミュニケーションの中においては絶対化できないものなので、あんまり技術論に走っても意味はないなあ、というのは最近ひしひしと感じています。
レベルの意味づけなんてのは、相対的にしかならないということですな。主観的には絶対化も可能だとは思いますが。
最近、ドラゴンクエストシリーズをなぜかどんどこやってて、というのはたまたま借りる当てがあったというだけなんですが、仲間に加入する時期が違うとレベルに差があって、という状況があって、それはTRPGのメンバーにしても似たようなもんだよなあと思ったというだけなんですけども。
まあそれは本論ではありません。

勘違いをしやすいという点は、逆に考えるとイリュージョンを見る能力があるという長所だと考えることもできます。計算機システムの入出力が多少いい加減だとしても、人間のこの「長所」のおかげでそれなりに使えているものは多いでしょう。

これを長所と捉えるか短所と捉えるか、それは個々人の価値判断ですが、誤解が発生するメカニズムであると言い換えることもできる特性である以上、基本的にTRPGの場では短所になる、と思います。コミュニケーションを阻害しますので。
ただ、相手がどう誤解させようとしているのかを把握できれば、また別の道も開けるわけで。手品の種を知ることで手品の意図を読み解く、というやり取りに発展させられれば、これはこれで面白いゲームになるんじゃないかな、とかは思います。
まあ疲れますけどね、そういうのは。好きな人しかやらないし、好きだからってできるわけでもないしって遊び方になりそうなんで、実現可能性は低そうですけども。

  • 整合性
  • 統一感
  • 単純さ
  • 実世界メタファ
  • ユーザテスト

上記の要素は、システム設計では大事かなあ、とか。

  • 心理的効果をうまく使う
  • 観客の気をそらさない
  • 疑惑の払拭
  • 本当に起こっていることを隠す
  • 時間の扱い

この辺は、マスタリングで大事かなあ、とか。
まあそんなことを思ったというだけで、具体的なあれこれはあんまりありません。